帰路






 伯耆国、火神岳。
 頂きは荒荒しくも、裾野は緩やかに新緑を湛えて海にまで到達する。
 そんな緩やかな高原を眺められる庵を、成親と昌浩は今日の宿とした。
「・・・・・・うー。」
 ちなみに本日、旅を始めてから二日目。
 思ったとおりだがしかし想像以上に足が棒のようになっていたので、昌浩は近くの清流で足を浸していた。
「今からこれじゃ、先が思いやられるなぁ。」
 昌浩は行程の長さを思ってぼやいた。
「足、見せてみろ。」
 物の怪が言うので、昌浩は足を水から上げる。
「うう、ぱんぱんだよ、もう。」
 川面から覗く石の上に足を置いた。物の怪はひょいと隣の石に乗り移ってまじまじと見る。
「マメもないし、ズレてもないから、大丈夫だろ。」
「痛い所は無いけど、すんごく重いんですけど。」
「それは山歩きに慣れてないだけだ。基本的に平坦なところを歩くのと、山を歩くのとでは筋肉の使うところが違うからな。」
「京中にいたら平坦だけだもんねぇ。・・あ、でも結構走ってたりするけれど。」
「走るのと、山を登るのも違うんだな。」
「へぇ、そうなんだ。」
「要は、慣れだ慣れ。二日歩いてしんどくても、後に四日歩いても平気になる。怪我さえしなけりゃな。」
「わかった。」
 昌浩は頷いて、再び水に足を入れた。
 岩に弾ける水飛沫は澄んだ光を放ち、春先の雪解け水を含んだ川は低く唸るように流れて辺りに響く。
 沈みかけても煌きを放つ初夏の夕日が辺りを照らしていて、
 新緑の萌える白樺が一際美しい時間帯だ。
 昌浩は袂を探り、今日拾った石の釣り針を取り出した。
 道中に見つけた。倒れた枯れ木に引っかかっていたのだ。
 たぶん近くの集落の人達が釣りに来て、竿を投げた瞬間、木に引っかかったのだろうと思われた。
「明日は糸になりそうなのを探そうかな。」
「ああ。」
 休憩の日も予備日に入れてあるから、その時には形に出来るだろう。
 帰路は長いのだから、楽しみながら。
 峠の庵から、人の声がする。それから木の弾ける音。
 他の旅人達が夕餉をいただいているのだろう。
 庵に備え付けてある炊事場で、この土地の女達が旅人のために米を炊いてもいるから、その匂いもした。
 昌浩は先ほどいただいているのでもういらないが、頼んで、明日のお昼用のにぎり飯でも作ってもらったほうがいいだろうか。
 昌浩は、立ち上がった。
 物の怪は立ち上がらない。
「ここにいる?。」
「ああ。」
 そう言って物の怪はくるりと丸くなってしまった。
 もう日が暮れる。そしたらあとは寝るだけだ。
「・・・・・わかった。お休み。」
 淋しいのを隠しすように言葉を押し出した。
 昌浩は草履を履き直して崖を上がる。
「・・・・。」
 庵の縁側は商人達で賑わい、酒が酌み交わされているようだった。
 昌浩は近くの女の人に頼んでにぎり飯を作ってもらい、防腐のため熊笹で包んだ。
 二棟ある庵のもう一つの方にいく。こちらは寝るだけの庵なので静かだった。
 辺りに誰もいないのを確認して昌浩は神将を呼んだ。
「・・・・・。勾陣、いる?。」
「なんだ?。」
 スッ・・・と顕現してくれた。スラリとした姿態、手を腰に当てて昌浩を穏やかに見下ろしてくる。
 見えていれば本当は必要の無い動作だ。
 昌浩は少しだけじっと彼女を見つめた。
 冷静だし、周りもよく見ているから自分の現状に愛想を尽かすならわかるけれど、彼女は物の怪並みに他愛なく応えてくれる。
 今回のこと以前は姿も見せなかった神将なのに、ちょっと不思議だった。
「・・・・あのさ。勾陣。」
 自分の思いは取りあえず置いておいて、昌浩は呟いた。
「紅蓮の傍にいてやってほしいんだ。」
 昌浩の言葉に勾陣は笑みを収めた。
 彼はそのまま続ける。
「俺は寝るだけだし、兄上もいるから。」
 騰蛇がいるせいで休めない者がいる事実も受け止めて理解するから。
「見張りとかじゃなくて・・・、傍にいてあげてくれないかな。」
 昌浩は首を傾いで苦笑いした。本当は自分がいてやりたいのだけれど、今は、まだ。
「勾陣なら頼める。」
「・・・・わかった。」
 確かに自分以外の誰にも頼めないだろう。
「ありがとう。・・じゃ、俺、休むから。」
「ああ、お休み。」
 勾陣は笑顔でひらひらと手を振って、見送る。
 庵に上がって、昌浩の姿が見えなくなった。







 すっかり日は落ちて、勾陣は庵の水場でもある河原にやってきた。
 物の怪が前足に頤を乗せて丸くなって寝ている。
 勾陣は傍らに座り込んだ。
「・・・・。」
 その背をつっついてみる。・・が返事無し。
 勾陣は物の怪の脇に背中から両手をいれてひょいと抱え上げた。大きさに比べて仔猫ぐらいの重さだろうか。
 昌浩が確か抱えて寝てたな、と思って胸の上に乗せやった。
 ここまでしても起きないので、本当に変わったなぁとしみじみ思う。
 頤を左腕に乗せて、勾陣は傍の低木に寄りかかる。
 白い毛並みの柔らかさと温もりが肌に伝わってくる。無防備この上ない。
「(・・・・傍に誰も近寄らせなかったくせに。)」
 勾陣は苦笑いした。
 勾陣ならと、昌浩は言った。そう、その通りだった。私は騰蛇を怖れていないし拒んでもいない。それどころかとても信頼している。
 それでも騰蛇の傍には誰もいなかった。
 ・・・、私は騰蛇に拒まれた方だ。
 『 強さ 』
 私にとっては大きな理由だった。
 強い私以上の存在があるということは重要だった。
 けれど、最強であるということは、騰蛇にとっては忌むべき自分自身だった。
 強いからと言う理由で近づいてきた私を一瞥して拒んだ。
 だが、それでかまわなかった自分。
 騰蛇の思いなど関係無い。
「・・・・それは今も変わらないがな。」
 思いは変わる。それは主人たる晴明が言っていた言葉だ。
 神将とて例外じゃない。
「・・・そうだな。」
 記憶の抜け落ちた彼に苛立ちを覚えた。
 その強さに憧憬した以前の彼だったのに。
 思いの形が変わってしまった。
 昌浩を思う騰蛇を好ましく思うよう、自分が変わってしまった。
 強さだけの彼にもう興味がない。
「(騰蛇は、知っていたんだな。強さだけなど。)」
 だから、忌嫌われ、拒まれた。
 勾陣は白い物の怪の姿の騰蛇を見下ろした。
 そっとその背を撫でる。
「はやく・・・・思い出してやるんだな。」
 あの子の傍にいたことを。
 そうして、もっと強くなる。











 さわさわと頬に触れてくる。
「う・・ん?。」
 物の怪の手だった。目が開いて物の怪の不機嫌そうな顔が映る。
「おい。」
「ん?。」
 半分寝た状態のまま勾陣は生返事を返す。
「勾。」
 膝の上からぶつっと呟いた。
 ああ、これは怒ってるな、と勾陣は他人事のように思った。あ、でも、その割に膝から降りてないか。
 寝起き悪げにしていたら、焦れて、長身のたくましい影が現れる。凶将騰蛇が顕現した。
 前屈みに低木に手を置いて、勾陣を見下ろしてくる。
 流石に目が覚めてきた。夜明けの前の薄明るい時分。
 鬱然とした白樺の森が眼の端に映った。
「起きたら、おまえがいた。どういう風の吹き回しなんだ?。」
 俺はおまえに気を置いた覚えは無いと言わんばかりの不機嫌さで尋ねる。
「・・・・・昌浩に頼まれた。」
 金色の双眸が見開かれる。
 腕を組んで睥睨した。
「おまえの傍にいるように。」
「・・・・。」
 勾陣はこともなげに呟いた。
 が、少しだけ昌浩のことがよぎる。そう言えば見張りじゃなくて頼めるとか言っていた。
 てらいなく言うので聞き流してしまったが、あれは了解しているのだろうか。
「昌浩が?。」
「私の本意も含めてくれるとありがたいがな。」
 にやりと笑って揶揄るので、騰蛇は頭を抱えた。
 相変わらず、いい性格をしている、と思う。
「だから傍にいたのか。」
「私の発意だったら、おまえ、怒るからちょうど良かった。」
「・・・・その割には勝手にしてるようにも見えるが?。」
「おまえの思いなど関係無いからな。」
 くくっと喉の奥で勾陣は笑った。
 その言い回しは、別に怒らないと言ってるのかな。
 勾陣が笑うから、騰蛇は呆れ混じりの視線をよこした。
「・・・・。」
 低木から手を離し、立膝になって騰蛇は勾陣と目線を合わせた。
 彼女は笑いを収めて涼しげな眼差しで自分を見返してくる。
 俺が捕らわれていた間、昌浩の傍らにいてくれた神将。
 ・・・・やおら尋ねる。
「昌浩を、認めるのか?。」
「私が昌浩に手を貸す理由か?。」
「俺の命を返してくれた、からか?。」
「そうだな・・・。」
 以前の私ならそう答えただろう。騰蛇は私のことをよくわかっている。
 でも今、それだけであれへの思いを語るのは難しい。
 勾陣は首を傾いだ。
 昌浩が、窮奇との死闘をしている時、自分は異界にいた。あれには最強の騰蛇がついているのだから、凶将が二人も出ずともよいと思ったからだ。
 これからも昌浩が苦戦しようと自分には関係無いので傍観するに留めるつもりだった。
 だが今回は、騰蛇を奪われたから、二人目の凶将として顕現した。
 騰蛇も天一も朱雀もいない神将の質量を埋め、且つ、騰蛇を奪い返すために。
 前者は晴明の指示であり、後者は自分の目論みだ。あんまり昌浩のためというわけじゃない。
 けれど、昌浩はたった一人で覚悟を決めて、
「(そうして・・・。)」
 そうしてあの子は、私の目の前で、騰蛇のために命を捨てたのだ。


 昌浩のことを軽んじていた。14才の子供だ。ギリギリのところまで来たら死ぬのが怖くなるだろうと。
 そして騰蛇が死に、貴船の神や私や他の神将に不甲斐なさから嫌悪され侮られ、その責めを一身に受ける。
 その実、自分たちではなにも出来なかったことを棚上げしておいて、子供を責めただろう。
 かつて騰蛇にしたように。
「(ああ・・・、責めると言う行為はなんて容易く楽な行為だろう。)」
 そして、失った。後ろ髪引かれることなく、誰が引きとめることもなく、昌浩は己が命を差し出す言葉を唱えて、贄とした。
 そうして気づく。
 昌浩は、そう14才の子供だったのだ。
 変わりに引きうける事だって出来たはずなのに、長い時を生きた神将が傍にいておきながら、14年しか生きていない子供が死んだのだ。
 どう考えたっておかしいだろう。
 勾陣は自嘲した。
「勾?。」

 まだ、私は昌浩のために、なにもしていない。

 言葉は存外に重い。剣呑に閃く眼差しは自分に向けたもの。


 勾陣は肩を竦めやり、顔を上げる。
 もう、その瞳には激情の欠片も見当たらなかった。勾陣は心をあっさりと収めてしまう。
 刀身を、鞘に収めるように。
 思いは勾陣の中にあって、こうなったらもう教えてくれはしないのだ。
 沈黙を朝の光が包む。
 肯定とも否定ともつかない返事だが、悪意ではない気がした。
「・・・・・で、俺は腹の上に寝てたわけだ。」
 騰蛇は話を戻した。
 勾陣は涼しげに笑んで、ちょっと不満げに言葉を返す。
「せめて腕の中でと言えないのか?。」
 まだ腕には物の怪を抱いた温もりが残っている。悪くない感触だ。昌浩が抱いて寝るのもよくわかる。
「・・・。」
 でも、そんなふうに言ってくれるから、少しだけ増長した。
 そっと、手を伸ばしてみる。
 堅い胸板に、触れる。
 物の怪ではなく、騰蛇に。
「(ああ、やはり、変わったな。)」
 拒まれるのも予定していた手は胸に置かれたままで。
 勾陣は黒曜の瞳を眩しげに細めた。
 首を垂れて、その胸に額で触れる。
 寄りかかっても騰蛇は怒らなかった。







 庵の向こうから戸の開く音がした。
 朝日が出る前の時分だ。だが、旅人の朝は早い。
 騰蛇は物の怪の姿に戻った。草を踏む。
 物の怪は見上げると涼しげな眼差しが変わらずにそこにあって、目を合わせると彼女は片目をすがめた。
 一向に堪えない強かな彼女に、物の怪は目を半眼にして、やおらやれやれと溜息をついた。
 勾陣は再び腕を組んで、騰蛇が意図したことにケチをつける。
「いいじゃないか。あれの社会勉強になるぞ。」
「確かに、奥手だからな、あれは。俺だって頭が痛いところだが・・・・・っておまえな。」
 よいよいと二の句を継いでおいて、じとっとねめつける。
「つっこんでおいて、私のせいか?。」
 勾陣は肩をすくめて言葉を返した。


 にらみ合っていると、昌浩がやってきた。
 ついと物の怪は視線を彼に向けた。が、勾陣が律儀に顕現するのでちらりとそちらも見やる。
「おはよう。」
「おう。」
「足はどうだ?。」
「なんとか、今日も行けそうです。」
 勾陣の問いに昌浩は答える。
「・・・・。」
 ちゃんと二人が傍にいるのに、昌浩はほっとする。
 そして物の怪の傍に神将がいることを嬉しいと思った。
「水汲み頼まれたんだ。上流の方がいいかな。」
「そうだな。」
 物の怪は昌浩の持つ水筒の一つを持った。
 勾陣は立ち上がりもせず、傍観するに留める。
 胡乱げな眼差しが昌浩と物の怪から発せられるが、勾陣は涼しげな顔でひらひらと手を振った。

 水場に来て空が開けて、火神岳が見えた。
 昌浩は一つ拝んで、水を汲む。

 朝霧とくっきりとした稜線が、返事だった。











END
[04/8/1]

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−Comment−

春に生まれた仔猫が如月の膝の上で珍しく甘えたしている。母猫にべったりだったのが、近頃パソコンしているとやってくる。
ちょっと心の救い。
なぜなら、つい先日の海の日に、愛犬ベルが他界。老衰です。16才でした。大往生といえばそう。
嫁入りして5年目。そのうち3年触らせてくれなかったわんこ。・・・そう平成15年1月16日に、初めて散歩させてくれた。川も凍るような寒い日の朝。それから1年半は毎日のように散歩した。
この子、何犬?、と近所の子供に聞かれて、ミックスとミックスのミックスと応えたりもした。
結構臆病で、優しい犬だった。
海の日は4年前に15年飼っていた黒猫が姿を消してしまった日でもある。嫁入りした翌日に「えさ」と命令してきた猫。大阪の夏の暑さにバテて寝込んでいた布団に添い寝してくれた猫だ(単にそこに布団があるから、というだけだったかもしれないけれど、すごく嬉しかった。)、遊びに来た姉の布団でも寝てたな。賢くて、女王な猫だった。
ベルとは仲良しで、一緒に塀の上を歩いたりしていたそう。
義母が、しんどい思いもうしなくていいよ、って迎えに来たかもしれないね、というから、・・ああ、だめだ泣けてくる。
宵山の明かりの川の向こうに二匹していっちゃった。


川の向こうには、アメショ混じりのモモちゃんも、実家で飼っていた愛犬ムクちゃんもいるんだよなー。
でも、逝ってしまう子達もいるけれど、春先に生まれた仔猫(3匹はもらわれて行きました。人脈とネットと情報誌を駆使し、全て大家族の一軒家に送り込んだぞ!。そして可愛すぎて1匹は手放せなかったのが我が家に。)は元気にしている。⇒IN・季節だより






さて、以下は順不同でつらつらと、
足跡の返信に小躍りしてしまったのですが、更にそこで返信はちょっと変かな、と躊躇してしまったので、それらしいものをここに。
スターバックスでは、私はいつも本日のコーヒーにホイップクリームをトッピングで。砂糖やミルクはいれません。このままで。
大阪伊丹空港には、神戸オリジナル、大阪オリジナル、京都オリジナルのタンブラーが揃っています。神戸のが綺麗です。
いや、スタバのことを書いていただいた時点で「たはは・・・あー、どうしよう」でした。すみません。いやもうちょっとこのページの存在自体が結城先生次第で違法。
感想文の小説なページということで、お目こぼししてもらえるような文にしていけたらと思います。





最近、騰蛇×勾陣づいているので、
前からちょっと書いてみたかった勾陣に対する読解文をぐだぐだと。
だって、勾陣、いい奴なのに今まで出てこなかったのは何故だろうって思うのよ。騰蛇に対する思いもさ、好意的なのにさー・・。いや、その曖昧さがまたいいんだけど。

同種の悩みで読解出来てないのが、
六合・・・風音にどこでFoll in Loveしたん?。いや、お似合いだけどさ。



『花信風』
風音がいる。六合、夜泊まるのか、そうか・・。
勾陣も同人誌でも主要キャラになってきていて嬉しいぞ。



『光の導〜』は、時の流れを整理しないと、読めーん。ので考察。
      現代月
如月二月(3月) 末日
弥生三月(4月) 上旬 騰蛇の記憶が戻るまで。9巻。
           中旬 10巻最初。昌親の星宿。梅が咲いている。玉の先触れ。春が終わる。
卯月四月(5月) 上旬 中宮参内とりやめ。桜(山桜)
           中旬、昌浩達まだ出雲。天一彰子の前に姿を現す。雑鬼どもの話を聞く。
               晴明胸に痛みを覚える
               明後日か明々後日の書状。明後日に出立。
               同日か。ひと月もすれば帰京と白虎。晴明が倒れる。
           下旬 中宮病平癒の祈祷を吉昌が。
               一度は参内の運びに。皐月にはいる前に繕い終わる。
皐月五月(6月) 上旬 中宮は再び土御門殿退出。
           中旬 10日ほど前に土御門殿に下がられた。衣の洗濯。
               昌浩羅城門をくぐり帰宅。
               夜半過ぎ、もっくん貴船へ。寝ずに待つ昌浩。
               朝、吉昌と朝食。成親は出仕。
               夕刻、塀を乗り越えて土御門殿へ夜警。ちょうど一ヶ月前。
水無月六月(7月)中旬 蛍の見頃の最後。皐月の下旬から水無月の上旬。コミックはこの辺かな。
           下旬 夏越の祓え
文月七月(8月) 上旬 乞巧奠(七夕)。
葉月八月(9月)


ついでに逆算してみた。
25日かけて出雲から帰ってきたわけだな。
                 28日                 
         1日    10日          2日
  皐月15日   14日   4日    18日   16日卯月
           京都着         出雲発  



出雲から京都まで、最短の山陰道でおよそ400km
割ることの25日で1日平均16km歩けばいい。
1時間で4km歩けます。そうすると5時間歩いたら20km歩ける。
上記条件を踏まえてタイムテーブルを組んでみる。

  15km 15km 1日休み 
  20km 20km 20km 1日休み 
  20km 20km 20km 20km 2日休み 城崎?
  15km 15km 15km 15km 1日休み 
  15km 15km 15km 15km 1日休み 
  15km 20km 20km

平安時代の道の悪さや距離の延長を考慮しても、25日間あれば帰ってこれる。

街道について。
山陰道は桂、篠山(丹波)、出石、城崎から山陰沿岸をずっと延びていました。
丹波口という駅が今もあります。ここから山陰道が延びてたんだなーと馳せれます。
羅城門(当時既にぼろぼろ)からは西国街道(山陽道)が延びてました。

巡礼の道も含めて、熊野が世界遺産に登録されました。
観光資源としての道に限らず、近畿には1000年前から使われてきた道がその辺にあります。
図書館から出て歩いて帰る道の原城址から20分くらいの間良い所があるんだよねぇ。
かつての街道は、人がすれ違い荷車が行きかえる程度の道幅で、木造の古い家が並んでいたり鐘楼があったり、お地蔵さんや、灯篭、祠、商売繁盛の祈願堂などがあって往時を偲べます。
車なんざ1台しか通れない道だけどさ。人と物が行き交うだけならちょうど良い広さ。
車社会のために作られた世情を通過するだけの味気ない広い道は、世界遺産に登録されることはないのだろうな。
ちょっとぼやいてみました。
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。m(__)m 戯言多くてすみません。