眠りの底






 土御門殿での朝を迎える。
「・・・・」
 彰子は茵から置き上がった。そしてそっと髪を撫でた。
 梳ろうとして、櫛笥を引き寄せる。
 すると、そそと衣擦れがした。几帳の向こうからかしこまった声が発せられる。
「中宮様。」
「・・・・。」
 女房達が身支度を整えてくれる。
 髪を梳いてくれる。
 かつての日常に身を委ねる。




 眠るように生きる。

 あこがれ
 夢は見る。
 そう・・見る、だけ、だ。
 まるで酔夢のように。


 かつての眠りの底に、今、私はいる。




 章子は妖の殻の中で眠り、かつての日常を感じていた。
 何も考えず、心乱されることのない、平穏。
 ただ一つだけ気になることがあった。
「(・・・・・一の姫はどうしているだろう。)」
 この前は琴を習い始めたと聞いた。
 歌もそろそろだそうだ。
 そう全ては、帝に嫁すがため。
 だから、
 習い事や習慣、言葉遣い。
 一の姫に倣うようにしている。
 そう全ては、帝に嫁すがためだった。





 運命に逆らわなかった私達。




END
[06/6/2]

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−Comment−

章子、また出てこないかな。
彰子と会話してほしいな。姉妹なのだし。

新刊・・・妙なる?
みょうで良いんだよね??。

第5弾は見送りました・・。残念。
子育てだけならなんとかなんだけれど、同時進行で資格試験勉強中。
(ははは。試験当日どうしよう。おこちゃま。2時間半。試験会場の近くで預かってもらうか??)
冬、、、、出来たら!。
それまではホームページでちまちまと。

少子化・出生率1.25のいうニュースが駆け巡ってますが、
只今おこちゃま、猫かわいがり中ですよ。
むちゃくちゃ可愛いですよ。
好きなこと全部蹴っ飛ばして後回し。
それくらい楽しい面白い。
抱き癖つけたるってほど、一蓮托生、一心同体。さる赤ちゃん。