The Other Day 11.5日 15時に、今日の作業が終了し、解散となった。 リリーナもまた公会堂を去る。ただリリーナの乗るはずの車はヒルデとデュオだけだ。 そうして、ヒイロはリリーナの手を引いてさらりと公会堂を後にした。 CエリアからBエリアに向かうための箱型シャトルの駅まで歩く。 歩きながら、リリーナが何度かあくびを噛んでいて、しきりに口元を押さえている。 「眠いのか?。」 「そうですね。でも大丈夫です。」 「・・・・。」 その大丈夫は当てにならない。昨日はほとんど寝ていないはずだ。 誰のせいかといえば自分のせいだ。 「着いたら一度寝るといい。」 「・・・・せっかくヒイロといるのに。」 リリーナがむくれた。 でもどうしようもないほどの眠気が今の自分にはある。 一昨日はヒルデと長く話した。昨日はそれどころじゃなかった。 どれも大切な時間だった。 駅について、すぐにシャトルに乗る。 ホームは改札をくぐるとすぐに乗り場で、地球で言うモノレールのようだった。ピストンで輸送というのも手段として似ている。 乗り心地もそれだ。 リリーナとヒイロは帰宅の混雑は免れて、座る。 心地いい乗り心地が眠気をいっそう誘った。 「せっかくヒイロにレポート見てもらおうと思ったのに。」 「・・・・レポート?。」 「それから、この間覚えた料理と。」 「・・・・いつでもいい。」 「そうです、レポートで。」 「・・・眠いのか?。」 もう一度尋ねる。 「・・・・・眠い・・・かもしれません。」 かみ合わない上に、だんだん台詞が怪しい。 「ヒイロがいつもどおりだから。」 「・・・・・。」 「怪我したのに、いつもどおりだから、きっと甘えてしまっているんです。」 シャトルは程なくしてBエリアに収納された。 エリア間のスムーズな移動を目的としたシンプルなつくりのプラットホームは出改札が無い。ヒイロはリリーナの手を引いて駅駐輪場につく。 ヒイロの自転車。 ステップはつけられていた。 かしゃんとヒイロはスタンドを蹴る。 リリーナはステップに足をかけた。手はヒイロの肩に。ここは自分の定位置にしたい。 ヒイロは何も言わず漕ぎ出していく。 1月のホテルに比べて、この駅からだとヒイロの家は近い。まもなく着く。 「ホッとして・・気が抜けて。」 「眠いのか。」 「はい。」 あまり問答に変化はないはずだが、結論が出た。 そこでリリーナの呼吸が変わる。 両手が首に巻きついて、肩に頬が乗る。 予感がしてヒイロは左手を後ろに回して傾くリリーナの背を押さえた。 「・・・・・・。」 すー・・・・と柔らかい寝息が耳元でした。 そのままの姿勢で走り続け、1分ほどでアパートの駐輪場に自転車を滑り込ませた。停止する。 後ろ手にした左腕に体が傾く。左腕で受け止め、ヒイロはリリーナに向き直り右腕で支えた。 「・・・・・。」 それでも寝ている。起きるつもりは無いらしい。 自転車に乗りながら寝るとは思わなかった。 そんなに疲れているのか、という思いより、どうしてそこで寝るかという方の疑問が先にたつ。 でも応えはなく、聞こえるのは柔らかい呼吸音だけ。 お互いに憂慮するものはある。だがそれ以上に尋ねたいことや伝えたいことがある。 溜息ではなく、ヒイロは苦笑を口元に乗せた。 そして揃えた両膝の下に左腕を通しリリーナを抱え上げた。 ヒイロはリリーナをベッドに降ろして、郵便受けに戻る。 見落とすはずが無いほど郵便受けに物が入っていた。 昨日の昼間の買い物である。 ホテルには持って行かなかったようだ。 室内ではなく郵便受けなのは、ヒルデが持ってきたからだろう。 デュオなら勝手に開けて入る。 「・・・・。」 郵便受けから出すと、紙袋の一番上には自分のジャケットがきちんとたたまれて入っていた。 あの通路の一角で置いていったものだ。どの辺で捨てたかは覚えていない。 通路の中は複雑で、だがヒルデには通いなれた場所だ。 あの中を2ヶ月で空に出来たのはヒルデによるものだ。ただ大多数がそんなこと知らない。途中から行政が参加したからだ。だがそれもヒルデの思惑のうちで。 退避マニュアル通り救急車に俺をさっさと乗せて、ヒルデはあとから来た。ただその前にマスコミが殺到する通路にリリーナに結びつけるものが落下していないか確認したのだ。 ジャケットはそのときのものだろう。 あとは何食わぬ顔で病院に来て、俺の世話を焼いていた。 「・・・。」 服を持ち上げると、丁寧にたたまれていた理由がわかった。自分の写真が入っていた。 「・・・・・。」 正直忘れていた。 メッセージも何も無い。暗に突っ返されたのがわかる。 ヒルデが言わんとするところはこんなものだろう。 私からは渡さないから。 「・・・・・。」 世話を焼かれている、と再度思った。 夜8時。 デュオは盛大な溜息をついた。 窓の樋伝いにきたのは一応の遠慮のためなのだが、せいぜいリリーナを起こさないために呼び鈴を鳴らさない程度の効果しかないことになる。 明かりのついている隣の部屋の窓をこづいた。窓の向こうには本を読んでいるヒイロがいる。 夏時間の気候のためか、タンクトップと半ズボンというラフな服に変わっている。首の包帯もさっさと取られていた。 気がついて怪訝に眉を寄せるヒイロだが、あいにくこちらも似たような顔になっている。 からからと窓をヒイロが開けた。 「なんのつもりだ。」 「おまえとお嬢さんがよろしくやってるだろうところに用事が出来たからこっそり来てやったんだよ。」 なに部屋分けてんだよと鼻白んだ。 ヒイロは別段表情を変えない。 「そう思うなら遠慮しろ。」 「俺は用事があるから来てんだよ。大体入ったところで、おまえら、俺の存在を空気以下にするだけじゃねーか。」 「・・・・。」 それは否定しない。 ヒイロは椅子に座りなおす。 デュオは靴なので窓枠に座る。 「自粛してんの?。」 「必要ないだけだ。」 「そんなことないだろ。」 「そういった人間の本能は、行動の妨げになるから不要だ。」 持っていた本を再び開き、読み始める。 「興味ない。」 「・・。」 なるほどそう言われてきたわけだと思う。本能的部分の食欲とかも含めてなのだろう。 が、反論する。 「とはいえ、なくなるもんじゃねーだろ。」 正論のはずだ。 「それに大体おまえ元がいいんだから女の方から寄って来るだろ。」 「・・・・俺にそんなものを強要するなら、老若男女問わず殺せと言われている。」 デュオは半眼になる。 「・・・おまえ、どこのおひいさんだよ。」 だがヒイロはデュオの台詞に何の表情も返さない。 なるほどそういう方向性だったんだなと思う。ヒルデに気安さなど微塵にも持ち合わせていないのだ。 シリアスにストイックに。 もうそれで身についているのだ。。 その時後ろから布擦れの音がした。 半開きのドアの向こう。 暗がりの中起き上がる気配がする。 ヒイロが立ち上がった。 あたりまえのようにドアの向こうに行く。 リリーナが目をこすっていた。 「・・・私寝てしまったんですね。」 「自転車に乗りながら寝るとは思わなかった。」 「つい気持ちよくて、安定しているからうとうとするだけなら出来そうで。よく眠れたわ。」 「他所ではやるな。落ちるぞ。」 「はい。」 「・・・・・・。」 そうして空気以下にされている窓枠のデュオはヒイロの端末をこちらに向ける。キーボードを持ち上げて、カリエルトの身分証明の偽証や渡航履歴などを改ざんするためだ。ヒイロが前に集めた膨大のデータを整理して、カリエルトの分だけカトルに送る。 ついでに、その中に入っているものを見させてもらっている。 お嬢さんのデスクもさることながら、ヒイロのメイン端末は一政府並みの情報量だ。 リリーナはシャワーに行ったらしい。 だがそうとわかっても、リリーナ相手に確かにそういう気持ちになるかといえば、実はならない。 お人形さんを相手にしているような気がしてしまうからである。 ヒイロが戻ってきた。 こちらは無口無表情で機械的で。 「お嬢さんがあれで、相手がこれだもんなぁ。」 似たもの同士としかいいようがない。 「・・・。」 ただ二人とも無機物ではなく、表情以上に言葉は感情的で。 今はお互いの時間をゆっくり編んでいるのだろう。 そして傍で見ている分には、相当じれったいのは間違いない。 民間で言えばグレイトカップル間違い無しの二人なのに、その実はプラトニックな消極さ。 ヒイロが無表情に応えた。 「別に。火星に行けば、毎日でも出来る。」 そんなこと誰も聞いてない。 「・・・・おまえその考え方、やらしいぞっ。」 ある意味鳥肌ものの消極性であった。 リリーナはシャワーを浴びながら、それでもまだ眠い頭を振る。 「・・・・・。」 シャワーだけ済ませて、シャワールームから出た。 ここからも二人が話している音くらい聞こえる。 ただやがて聞こえなくなった。 「?。」 今日買った半袖のチュニックに着替えて、部屋に戻った。 本の部屋を見ればもう誰もいなかった。 ヒイロが振り返った。 「デュオは?。声がしたけれど。」 「帰った。」 「玄関からじゃなくて?。」 「ああ。」 応えるとリリーナはくすっと笑った。 ただそのあとの眼差しには自嘲が浮かんでいた。 「?。」 訝ったヒイロにリリーナは肩を竦めた。 「私は何も知らないけれど。」 「・・・・。」 「デュオは贅沢だって言ってしまいそうだわ。」 アテにしてもらうなど私には無理だ。 「贅沢で。」 いつでもどんなときもデュオはヒイロの邪魔にならない。 「うらやましいなんて言ってしまいそうだわ。」 「・・・言ったらいい。あいつは死以外、背負ったりしない。」 「・・・・・ええ。」 そしてそんなふうにヒイロに言ってもらえることも羨ましい。 「デュオは贅沢だわ。」 こうして認められている。 「・・・。」 あまり褒められた感情ではないがこれは嫉妬だ。 ヒイロがこちらの部屋に来る。 「何か食べるか?。」 「・・・・・あんまり。朝も昼もしっかり食べたから。」 「だろうな。ヒルデと一緒だったんだ。食わされる。」 「ヒイロも?。」 「というより、あの通路にいた連中だ。」 「そう。」 リリーナが苦笑した。 口説き落とすの大変だったとと言っていた。 傍を横切ってヒイロはキッチンに立つ。。 リリーナもその隣に行く。 何か作ってくれるのだろうか。ヒイロの作ってくれるものならなんだって嬉しい。流しに手を掛けてヒイロの手元を眺める。 ヒイロは冷蔵庫から生クリームのパックとイチゴの瓶詰めを取り出していた。 生クリームをボールに移し、砂糖を加えて、泡だて器で泡立て始める。 出てくるものが甘いものなら紅茶がいいとふと思い、リリーナは小鍋を取り、お湯を沸かす。 目の前の棚にある紅茶の葉とポットを取って、セッティングする。 そうしてまた彼を眺める。 「・・・・」 ヒイロがてらいなく泡立て器で生クリームを泡立てているのは、まるで絵本のようだ。 泡が減ってクリームになる。それもだいぶ固めのクリームでしっかりしている。 ヒイロはそこで手を止めて、籠からバナナを取り、上の棚から真空保存の缶詰を一つ。 リリーナは目を丸くする。 缶詰はカットフルーツで、そのまま生クリームに入れるだけだ。 バナナをナイフでカットして、イチゴの瓶詰めもスプーンでこそいで全部入れる。 イチゴはジャムだがほぼ形が残ってる。 市販されているものじゃなさそうで、とすればヒイロが作ったのだろうか。 「どのぐらい食べられる?。」 ヒイロに尋ねられる。 リリーナは思ったことをそのまま言った。 「半分。」 「・・・・お腹すいているのか?。」 「・・・三分の一。」 「あんまり遠慮になっていないぞ。」 ヒイロのあきれ声が降ってくる。 正直5人分は優にある。 「残さない程度にのせてやるから、あとは自分と相談しろ。」 「わかったわ。」 嬉々とした返事だ。 リリーナは嬉しそうに紅茶の葉に湯を注いで、テーブルにまで持っていく。二つ分のマグカップに紅茶を分ける。 ヒイロもクリームで和えたカットフルーツを器にのせて、リリーナと自分の前に置いた。そのまま座る。 「いただきます。」 リリーナは嬉しそうにスプーンでイチゴをすくった。 向かいのヒイロは椅子の背にもたれて紅茶のマグを手に取る。 それが互いに有意義な時間だった。 結局半分近く食べたので、残りはヒイロが食べた。 後片付けの前にリリーナはイチゴのジャムの瓶の縁を指ですくって舐めている。 その分背に還元されているのだろう。 リリーナはノインに並ぶくらい背が高くなった。 それはあの兄のせいだ・・と胡乱気に思ってしまうのは胸のうちに収めておく。 「ヒイロ、これ、ヒイロが作ったの?。」 「・・・?。・・ああ、それはそうだな。」 「どうやって?。」 「砂糖と混ぜて一日置いて、煮た。」 「・・・・・・おいしいわ。本当にそれだけ?。」 「ああ。ただ素材はいいな。」 「大学の品種改良のプランテーション?。」 「そうだ。今年の春に市場値が暴落するくらい実がついた。」 「暴落したの?。」 「ああ。まだ市場値が上がってこない。消費者は大喜びだがな。」 「・・・・コロニーばっかりずるい。」 「地球側の意見だな。」 ヒイロは涼しい顔でマグカップの紅茶を飲んでいる。 リリーナは苦笑した。 「本当に。コロニーに習うことはたくさんあるのに。」 習えば、連合の崩壊後のOZの支配は無かった。 コロニーに習う。それは親善大使として宇宙に上がったあの兄が繰り返しコロニー側に言っていたことだった。 「地球がどう成長していくか。」 「そのためにおまえがいるんだろう。」 「ええ。」 リリーナは嬉々と返事する。立ちはだかる困難をプレッシャーにしない。 ヒイロはリリーナのそういうところが心地よかった。 リリーナは手際よく洗い物を済ませて、テーブルに戻ってくる。 椅子の背に手を置いて、ヒイロに言った。 「そう。ヒイロ、レポート。」 「寝言じゃなかったのか?。」 「寝言くらい覚えています。」 そういうものだろうか。 リリーナが再び目の前の椅子に座る。 「・・・・・で?。」 「私、今度学生として論文を出さなくてはならなくなったんです。」 「・・・・・学生の論文じゃすまないだろうな。」 私事なのに、公のように広まる可能性のほうが高い。 そのため小手先の内容ではなく、もっと政治的なものも求められる。 「はい。それで困っているんです。私事なテーマであって公のテーマで、内容は私個人の意見でなくてはならないのですが、その意見を出すために行動すれば公になってしまうのです。」 「・・・・・・。」 ヒイロはひとしきり思案する。 「・・・内容は決まっているんだろう?。」 「マーズテラフォーミングです。」 公であり、私としても伝えたい事柄だ。 「だろうな。」 ヒイロは立ち上がる。 ベッドサイドからクリアボックスを取ってくる。 その中からぺラッと一枚書類を出す。リリーナに渡した。 「このあたりの学生を集めてマーズテラフォーミングのディスカッションをしている。等身大の内容が聞けるはずだ。」 目を見張り、驚いて書類を見、内容を照らす。 自分の思ったようなレポートにするために、これ以上ないほど的を得たディスカッションだった。 やがてリリーナはヒイロに尋ねる。 「行ってもいいの?。」 「L1で休暇中だからな。時間を使うのはおまえだ。」 「行きます。」 リリーナは嬉しそうに書類に目を落とす。 そして立ち上がって、ベッドサイドの自分のハンドバックを取る。手帳を取った。 「レポート用紙なら引き出しに入れてある。好きなだけ使っていい。」 「そんなに書かないわ。」 「いっそのこと白書にでもするんだな。」 「・・・そんなに書きません。」 とヒイロの揶揄に対しながら、ただその揶揄よりこちらの方が嘯いている気がしないでもない。 隣の部屋に移動してさっそくリリーナはヒイロの端末から自分の書きかけの論述を呼び出してもらいプリントアウトする。 それに聞きたい事を書き足していく。 「ディスカッションに加わってもいいと思うが、まだまだ実際は講師の説明が中心だ。講師はともかく学生はお前の相手にはならないだろう。」 「わかってるわ。」 提唱者が居丈高に話す場では無い。このディスカッションはイメージを持たせる為の語り場だ。 「聞く方に徹するつもりよ。・・行ったことがあるの?」 「講師がKIOに入る前の学校の担任だ。それからKIOへ履歴を通したのもだ。」 「恩師じゃない。」 「・・そうだな。」 「じゃあ来ているのはヒイロの元クラスメイト?。」 「何人かはいるだろうな。」 リリーナがそこで上目遣いになった。 「?。」 首を傾げればおずおずと尋ねる。 「・・ヒイロ。迷惑じゃありませんか?。私。」 なんだそんなことかとリリーナのレポート用紙に視線を戻す。 「好きなだけ参加して好きなタイミングで出ればいい。」 なんてことないふうにしてくれる。 「ありがとう。ヒイロ。」 「かまわない。」 ヒイロは視線もよこさずに本棚に行き、自分のノートを取った。そのまま本棚の前に座って真っ白なページを開いている。 リリーナの文章を写していく。 その左隣に座り込んだ。 ふと一度手を止めてぱたぱたとページを送った。写真が出て来る。 彼女が目を見張った。 ので、ひらっと手渡した。 「・・。」 ヒイロの写真。 欲しいと言った。 ただこんなにちょうどいいものをもらえるとは思っていなかった。写真はこちらを向いていて、大きさも自分の持つフォトケースにちょうど入る。 裏に何か書かれていて返せば番号だった。 ヒイロはノートを開きなおし何も言わない。 だから私はここの番号にかけていいのだ。 私はヒイロに肩に頬を寄せた。 両手を伸ばして彼にしがみつく。 「好きよ。ヒイロ。」 もうここまで甘えているのだ。あとどれだけ甘えても変わらない気がした。 その首筋に唇で触れる。 タンクトップの下の浅黒い肌が見える。首筋の傷は赤々としているがあまり目立たない。 そういえば先程デュオに言っていた。強要するならと。 それならこの一瞬だけで私は殺されてしまうのだろう。触れながら思う。 「・・。」 ふんわりと彼女の口元から甘い香りがした。 甘いのはまんざらでもない。 振り返るとリリーナと目が合って、それは瞼の内に隠れた。 ペンを持った指先で頬を支える。 いつものように唇を重ねた。 そして、 ヒイロも目を閉じる。 予想外に甘くて、 指からペンが転がり落ちる音がした。 頬を引き寄せいつもの・・重なるキスより、深く口づける事になる。 舌が触れ、絡めとるようにすればリリーナが身を竦めた。 「ん・・・。」 予想外に甘くて、リリーナは動けなくなった。 いたずらするようなのに、甘いから。 「・・・・ん。」 リリーナはされるがままになる。 終わりに唇を甘く食まれて、ゆっくりと離れた。 彼は何食わぬ顔でペンを拾う。ノートに戻っていった。 「・・・・」 興味ないのと出来るのは別らしい。 ここまで甘えておいての言い草じゃないと自分でも思うが。 頬を紅潮させたまま、その端整な横差しに呟く。 「ヒイロの意地悪。」 「・・・・は?。」 そんなことをした覚えはない。 [10/9/1] ■日付分けました。 シチュを押し込んでいます。捏造もいくつか。ヒイロは暗い奴で、デュオはうるさい奴だ、あたり。 コロニーでの二人は甘く甘く。 んがそのせいであれこれすっぱり削除を繰り返したんだTT。 更新遅くなった・・・。 小説目次に戻る ← → |