The Other Day 12.6日 Bエリアは大学を二つ抱えているだけあって学園都市の様相があった。 親元を離れた寮生。アパートメントの下宿生。 こうして街中を歩いていてそう思う。 そして、 L1は学生も希望すれば兵士になることが出来た。 L2のレジスタンス活動とは違い、軍籍のある兵士である。 聞こえはいいが、地球での兵役同様、軍籍を抜ける退路が無い。 軍法会議もあった。 故に戦争参加で死亡した学生が他のコロニーより多い。レジスタンス活動による死亡者だけみればL2だが、学生や対象年齢を区切ってみると、L1が突出しているのだ。 戦争責任を問う者も多い。 地球とL1は見舞金を支給している。 リリーナはヒイロの後ろを歩きながら、市民ホールに入った。 学生を対象にした公開授業だ。ただその対象年齢は広く設けられていた。 傍聴だけなら学生意外も可能で、サマースクールの一環で来る団体も多い。自己の研究発表で来る者も多い。 大講義室に入る。リリーナは中を見渡した。 下は年少、上は大学生までいる。ただやはり多いのは中高というところだ。 もう始まる。 ヒイロは左翼の中ほどに座った。 そのヒイロを見て何人か手を振る子達がいた。 クラスメイトだろうか。 前を向けと目でいなして、自分にも目を向ける。 ので、リリーナはそこに座った。 何食わぬ顔で、ヒイロはその隣だ。 ちょっと嬉しい。席を並べられるのが。 開襟の白シャツの襟を立てた横顔。はにかみながらリリーナはプリントアウトしたレポートを取り出す。手帳と筆記用具。 束ねた髪が歩いているうちに少し緩んだので結びなおす。 会場で自分が外務大臣だと気がつくものはいない。服はヒルデと買った服なので一応なじんではいる。 年相応の意見が聞けることにリリーナ自身とても高揚していた。 とりあえずレポートが肝心なので、リリーナはさっそく鉛筆を走らせ始めた。 ぞろぞろと歩いていた最後の傍聴者が入って講義室のドアが閉められる。 それと同時に今回のディスカッション企画者のロビン講師が入ってきた。 ペンを走らせながらちろと眺める。ちょっと動機は不純でヒイロの先生、という理由で興味があった。 30分ほどの説明と、その後1時間のディスカッション。 ロビン講師は授業を終わらせて、今は質問の時間にしていた。 隣のレポートはもう10枚に達していた。 ・・・何をそんなに書くことがあるのだろうか、と思う。あとで見させてもらおうとも思う。 ヒイロはヒイロでノートに書いたものを整理していた。 授業が終わったので前の学校のクラスメイト2人、こちらにやってくる。 話すのは苦手だが、向こうからすれば久しぶりなので我慢する。 「ユイ。久しぶり。何やってんの?。」 「講義を聴きにきた。」 「そりゃ、わかるけどさ。何聴いてるんだ?。おまえの場合。」 などと話しているとさらに男ばかり5人わらわらとヒイロの周りに集まってきた。 隣のリリーナは、ほら・・と思う。 自分だけじゃない。ヒイロさえよければ、ヒイロに関心を寄せる人たちは大勢いる。 ・・・自分だけじゃない。 そこでリリーナは眉を寄せてしまうが、今はレポートだと言い聞かせる。 「マーズテラフォーミングの進捗状況に民間の意思決定がどの程度進んでいるか。」 「あ、そっか。おまえの研究との整合性?。」 「そういうことだ。」 「なー、今度おまえの授業聞かせろよ。出来るだろ。」 「・・・・」 リリーナがぴくりと反応する。それ、私も聞きたい、というのがありありと聞こえたのは幻聴じゃないだろう。 「・・・・・考えておく。」 「お、サンキュウ。じゃ、来月な。」 「行けたらな。」 「わかってるって。ロビン先生から頼むから。ユイも暇じゃないって聞いてるしさ。」 そこでリリーナが席を立った。レポートをまとめて手元に持つ。 階段を下りて、講師の元へ行った。質問者の最後尾に並ぶ。 ヒイロは椅子にもたれて腰を落ち着ける。 しばらく彼らに付き合っていれば時間を過ごすいい隠れ蓑だ。 それに話を聞くのが自分にも等身大で正直いいのだろう。 ロビンは最初、生徒と同じくヒイロを見ていた。「珍しい奴が来ている」とか「ああ、ユイめ、みんなに捕まったか」、とか思っていた。 最後の質問者を終えたらあそこに混ざろうと思っていたところだった。 「ロビン先生。」 その最後の質問者を見る。 「・・・・・。」 最初見覚えがあると思い、そしてこんなところにいるはずがないと思い、そしてL1で休暇中だったと気がつく。 それでも実物・・か?と自問する。何故ならこの場の誰も気がついていないからだ。 講師が抱いているだろう疑問にリリーナはお定まりに名乗る。 「初めまして。リリーナ・ドーリアンです。突然うかがって申し訳ありません。ただご相談があって今日は参りました。」 呟いて一礼する。 ロビンもまたお定まりに応える。 「視聴ならもっと意見を事前に用意できる公開討論のほうが良いと思うのだが。」 「それでは私には意味がありませんから。」 「ふむ。」 ロビンは顎に手をやって一度思考をめぐらす。 第一人者に聞いてもらうほどのディスカッションはなかったのだが、それを卑下したくない。これはまだ過程だからだ。 それに外務次官は今日の講義を有意義なものにしているのはよくわかった。彼女が持っているとてもたくさんのレポート用紙がそれを教えてくれる。 そしてそれを手に持ってくるあたり、自分の受け持つクラスの子とあまり変わらない気がした。 たぶん普通に質問しにきたのだろう。 ロビン講師は肩を竦めた。 「相談ならいつでも大歓迎だ。」 「ではこれを、見ていただきたいのです。」 リリーナはレポートを差し出した。 ロビンは10数枚に及ぶレポートを眺める。 その内容はマーズテラフォーミングの計画進行状況と具体的な行動についてだった。 そしてこの講座は次世代の考え方についての考察で触れられている。 「・・・・・うーん。うちの子たちに見せてやりたいなぁ。」 「かまいません。ただ出典に今日のことを書かなくてはならないのですが。相談と言うのはそのことです。」 「俺はかまわない。」 「ありがとうございます。」 リリーナがお礼を言ったが、すぐさまロビンは首を横に振って制する。 「ただ、それ不味いだろ?。」 「・・・・。」 「あなたが困るだろう?。本当に身一つで来たならセキュリティを疑われる側面があるだろう?。お忍びだからこそ不当に民間を危険にさらした。違うかい?。」 リリーナは目を見張る。自身の置かれている状況をずばりと言う。 「・・・・・はい。」 こくりとうなづいた肯定のあと、この講師は何を言ってくれるのだろうと見上げる。 ロビン講師はそのリリーナを慮るように、この状況を楽しそうに語った。 「だから・・そうだな。ここは私にコンタクトを取っただけということにしないか?。今日の録画もある。そういうことで臨場感については我慢してもらおうかな」 「・・・・。」 「もし臨場感について書きたければ、やはりそこは公開討論にするべきだ。俺は参加するし、後輩も生徒も連れて行く。」 「はい。」 欲しい言葉をくれるとリリーナは思った。 リリーナはロビンとともに会場を後にした。行き先は講師控え室だ。 プロジェクターを見に行く、という内容も聞き取った。 ヒイロは立ち上がる。 「帰るのか?。昼飯は?。」 「先約がある。」 「そっか、じゃな。」 元クラスメイト達はまだその場に残るようだった。 耳をそばだてれば、来月自分をいかに担ぐかについてだった。 ヒイロは溜息をついた。 大した講義など出来るかどうか正直不明だ。 会場の後ろの扉から出る。そしてすぐ階上に上がった。 講師控え室である。 ヒイロは軽いノックを二回して、名乗った。 「ヒイロ・ユイです。」 建前を通して、敬語だ。 「入っていいぞ。」 入っていいと言いながらすぐにドアが開いた。ロビンが顔を出す。 「行こうと思っていたんだ。来てくれて嬉しいぞ。めったに会えないからな。おまえは。」 「忙しないのは俺じゃないだろう?。」 「充実していると言え。」 ロビンは教師と修士課程に加え、L1におけるマーズテラフォーミングの教示に当たっている。 その支持や批判など様々な反応を一身に受けていた。 だが本当に疲れていないようだ。 ロビンはリリーナが座る長机に戻る。 レポートの内容を調整しているのだ。 ヒイロはそれ以上奥に行かず、腕を組んで壁にもたれた。 こちらに来ないので少々訝る。 「おまえ、何しに来たんだ?。」 生徒と同じ事を聞かれる。 ただこの場合は本当に言葉通りだ。壁にふんぞり返っているのだから。 「今日は用は無い。」 「・・・・・・・・。」 相変わらずなぞなぞのような言葉少なさだ。 まあだからこそ外務次官がいるこの部屋に奴を通したのだが。 ロビンは苦笑する。 そして考える。 俺に用がない。 だが来ている。 この部屋にいるのは、俺と奴と目の前の美人さんだ。 「ん?。」 一つ唸る。 つまり用があるのは、目の前の美人さん。 地球圏統一国家の外務次官。 外務次官を見、奴を見た。用があると言っても奴には外務次官に寄せる好奇が感じられない。 だとすれば。 「・・・・・。」 ・・・・・・。 「あー・・。確かに、地球圏一の美人だ。」 思い立ってつい口にしてしまった。 以前奴が自分の質問に対して、答えた。 それについて大変合点もしてしまう。 美貌も聡明さも、過不足無く誰もが認めうる。 ユイを見れば図星だ。 仏頂面に拍車がかかった。 外務次官も動きを止めて、そのまま真っ赤になった。 そして彼女はこそっと上目遣いにユイを見た。 「誇張は無い。」 ヒイロは腕を組んで、増長するなと言わんばかりに彼女を一睨みし、必要以上につっけんどに応える。 「あ・・はい。」 文面に視線を戻すも頬が緩んでしまうのはこの際仕方ないだろう。 彼女はユイを好きなのだ。はた目にもわかる。 だからそういった感想を述べてくれるのは女子として非常に嬉しいだろう。 「(なるほどな。)」 ロビンはヒイロの重責を少しは理解する。 奴のする行動全てが彼女の為とは思わないが、当初の隠密さの理由の一つには違いない。 「おこるな、おこるな。失言したのは俺だ。」 ロビンは肩をすくめる。そして彼女のレポートを借りそのコピーを取る。録画のコピーも完了した。 レポートを返し、ディスカッションの録画を彼女に手渡し、それにカードを添える。 「俺のアドレスはこれだ。書きあがった物を見せてほしい。」 奴も知っているだろうが彼女は彼女である。 リリーナがカバンを取った。 「わかりました・・・・。私のはこちらです。」 差し出されたものを、だがロビンは制する。 「いや、いい。信頼している。こちらからはアクセスしない。俺は教師なんで、生徒からのコンタクトの方が嬉しいからな。」 「・・ありがとうございます。」 リリーナは深く礼をする。 ヒイロが踵を返した。リリーナはそのあとをついていく。 外務次官をここに連れてきたのは間違いなく奴で、確かに彼女のこの宿題に自分はうってつけだ。 ただこうして引き合わせてくれたのは、ユイの彼なりの誠意だろう。 ロビンは再び苦笑いする。 彼らの艱難辛苦を自分がからかうようなマネはしたくないな、と思った。 歩きながら、リリーナは束ねた髪を解く。 肩に落ちる髪に、ヒイロは気がつく。視線もやっていないけれどわかる。 空色のフレンチスリーブの白いTシャツに、ギンガムチェックのスカート。 夏の装いにはいつもの髪型の方が似合うと思った。 「他に何かした方がいいですか?。帽子とか。」 「いらない。何かするほうが不自然だ。」 「コロニーの人は帽子を被らないのね。」 「本当に、必要ないからな。」 「難しいわ。どこをどうしても地球人に見えてしまう気がするわ。」 「気がするじゃない。俺の後ろいるのはどこから見ても地球人だ。」 ちなみにそういう地球人はおのぼりさんと言われている。あまりにも言葉通りだからだ。 「・・・じゃあどおすればいいの。」 少々ふくれっつらだった。 「だから何かするほうが不自然だ。」 ヒイロはお構い無しに進んでいく。 リリーナは首を傾げた。 「?。どこにいくの?。」 街路樹の多い区画の木漏れ日が彼の背中を照らしている。 「天文台。」 「・・・・・行きますっ。」 小走りになってリリーナはヒイロの横に並んだ。右腕を掴む。 L1の天文台は有名で、よく知っている。が行ったことはない。 一人では行かなかった。 つまらないから。 自分の立ち姿のことなどすっかり横に置いて嬉々とヒイロに言った。 「ずっと行きたかったんです。」 「・・・・・。」 右腕はほうって絡んだまま、 誰と、と思った。 中に入ると夏休みというのもあって、家族連れが多かった。 リリーナは嬉しそうに先に進んでいく。 どこから見ても地球人そのもので、でも誰もドーリアン外務次官などとは思わない。 それはそうだ。 完全におのぼりさんになって、順路に沿ってはあちらこちらの宇宙空間における器具に触れていく。 メインの望遠鏡では宇宙初期の星、ファーストスターを眺めた。 「来たことはないんだな。」 「ええ。街にはよく出かけたのだけど、なかなか縁がなくて。」 「・・・そうか。」 デュオの言ったとおりなのが少々癪だった。 「あ。」 トンネルがあった。入っていく。 中は暗い。 ぐねぐねと3回曲がり、トンネル出口で立ちすくむ。 足元通路から先が無いのだ。・・否、真の闇の中に本当の星達が輝いている。 リリーナは目をしばたたかせる。 「・・・・。」 周りを触るも何にも触れてこない。 つま先をゆっくりトンネル出口の床から進ませる。・・すると道は続いていた。 でも重力はある。 「これ・・・、困るわ。」 どっちつかずにリリーナは本当に困った顔をしていた。 「宇宙空間なら浮けるからな。」 足元には闇の中にきらめく、多くの恒星が見える。 通路の名前は銀河回廊。しばらく透明なトンネルが続きとその先に、天文台がレジャースポットとして一般に開放している広場へと出る。 コロニー壁面を特殊ガラスだけで加工してあるのである。 リリーナは歩き出してみる。 床も完全に透明で、歩くと躓きそうになる。 浮いてしまえば宇宙空間さながらなのにと思う。しかし、もし加速をつけて飛んで特殊ガラスにぶつかったら事である。 そのための重力だ。 奥行きを感じ取れず、歩行はかなり困難だ。どこに通路があるのかわからない。 それでもリリーナは、足をつーっと滑らせて頑張り、5分ほどかかって少し先の広場にたどり着く。 「これ一般開放なの?。」 広場を見るとコロニーの人もこの中は歩きにくいらしい。子供はいない。中の喧騒に比べて静かだった。 「元は研究用だからな。」 レジャー用ではないとヒイロは言うのだ。 そのうち改善されて、もう少し行きやすいようになるかもしれない。 でもこれはこれで楽しかった。 広場にはソファクッションが置かれていた。 たどり着けたそのクッションに座る。 「なんだか島みたい。」 リリーナはクッションをふかふかさせながら言った。 そこだけスポットライトがついているからそうも思えてくる。周囲にいくつかあった。 「高所恐怖症の人はどうなるのかしら。」 「入れないだろうな。きっと気分を悪くするだろう。」 深い、深い底なしの闇が、ガラス一枚越しで見えてくる。 リリーナはそういうのは平気らしく、まだ周囲を見たりないと元気だ。 立ち上がるために足を床につけようとおそるおそるガラスに近づけていく。足場が目測できないからだ。 かくんとなってしまったり思いっきりぶつけてしまったりする。 ヒイロの胡乱気な視線に気づいてリリーナは照れて笑う。 「ヒイロは平気みたいね。」 「・・・そうだな。」 それはそうだ。自分は特殊の上に更に特殊な訓練を受けた。足場の確保くらい分けないことだ。 「・・・。」 そんな彼女をヒイロは引き寄せた。 「え・・と。ヒイロ?」 互いに戸惑うも、それをこらえてヒイロは呟いた。 「・・つかまっていろ。」 「え」 ふわっと抱えあげた。驚いたりリーナが肩にしがみついてくる。 実は見ていて危なっかしかった。 「これなら別に問題は無いだろう?。」 「・・・・はい。」 問題なんて全然なく、ただひたすら嬉しいだけだった。 壁面に向かって歩き出す。 壁面と床の接点には月の道白道が引かれ目印になっていた。壁に打ち付けられている透明な手摺は白道に沿って弧を描いていきこの部屋の出入り口の壁まで延びている。 際まで行ってゆっくりリリーナを降ろした。 はるか遠くに恒星が固まっているところが見えた。銀河系の中心だ。 溜息が出るほど美しかった。 想像以上にしげしげと眺めているので、疑問を尋ねる。 「シャトルからでも見れるだろう?。」 「全然違います。」 「たとえば?。」 「あなたがいるから。」 告白なのだがわかってもらえるだろうか。 「・・・・・。」 太陽風があたるとか、視覚的阻害要因があるとかそういうことではないのだろうか。 「いつものありきたりな銀河でしかない。」 ヒイロがそう答えるのは、彼の価値を彼が知らないからだ。 「そうですか?。」 そう言ってリリーナは苦笑する。 「でも本当にそんな理由なのです。もう少しこのまま見ていてもかまいませんか?。」 「・・・・・・。」 初めは理由になっていない冗談に聞こえた。 が、行きたかったと言う過去形が、意味を変換する。 変換された理由に、思い当たることがあった。 あまり同じにされたくない。 「・・・・かまわない。」 そう言って、彼女の腕を引き寄せる。リリーナがその腕の強さに振り返り、こちらを向いた。 ここはどうせそんな場所だ。 逆の手で頭を抱え込んで腕の中に収めてしまう。 「・・・み、見えません。」 「だろうな。」 「意地悪。」 なるほど、そういう意味ならわかる。 俺にはそれがあたりまえだ。 チカッとコロニー外壁から覗く光があった。 太陽ではない。ここは太陽が見えるときはブラインドを降ろしてしまう。 眩しすぎてレジャーに適さないからだ。閉館扱いになっている。 光は、地球だった。 この天文台の部分が、コロニーの回転によって地球側に向き始めたのだ。 たくさんのコロニー群が見え出す。 ヒイロは顔を上げてこの光景を見た。 「・・・・。」 同じ宇宙、よく見ているはずの同じ宇宙。 なのに心に不安を覚える。 ああなるほど、彼女がいるからそんなものを感じてしまう。 地球圏にリリーナを奪われる錯覚に陥る。 「ヒイロ?。」 抱きしめる腕が弱くなって心細さを感じたリリーナが顔を上げた。 ヒイロはそっとその頬にキスをした。 振り向かせないように。 今だけは――――――。 [10/9/23] ■ファーストスターはまた出すかしら?。 ジアザデイはネタはこれでおしまいです。一応。たぶん。 小説目次に戻る ← |