<夢>
繭の中に堕ちていく。
薄暗く、青い空間だった。
いつも通り出方を覗っていて巻き込まれた。
手を伸ばそうとしても
声を出そうとしても、
広がるのは、響くのは青い渦のような空間だけ。
冷たく糸がこの身に絡んでいく。
もがけば服を裂き、身を傷つけた。
「・・。」
薄羽カゲロウのような、
透明な羽根が背中に生える。
・・その羽根をもがれた。
血が止まらない。
「・・。」
その羽根をもいでやったから。
背から溢れて、勇吹の身を染めていく。
寝かせた台座にも滴り落ちていく。
でも、羽が生えるよりましだった。
うつ伏せに横たえた彼の身を返して、
顎を掬い上げる。
「・・・・。」
カルノは身を屈めて、唇を重ねた。