| 采投下 采は投げられていた――・・・・。 息が近づいてくる。 「・・・・っ。」 くちづけを与えて、その魂を奪う。 「あ・・。」 甘いキス。 なんどもされたことがある。 甘くて、言葉と裏腹の、甘くて柔らかい。 「ダメ・・・。」 食まれているその唇から微かに呟いた。 カルノに言うよりは自分にだ。 劣情を押し留め様とする 「・・・。」 聞きたくないと言った。 何が望みなのか。 俺でさえ知っているのに。 キスをやめて、カルノは勇吹の顔の横に左手を置いた。 「・・・・っ。」 頬を寄せられる。 カルノの匂いがする。息がうなじにかかる。 勇吹は身を強張らせた。 カルノは胸に右手を置き、そこから下肢へと這わせて降ろしていく。 服の上から内腿を探るようにして、その輪郭をなぞった。 追い詰められてカタカタと勇吹の肩が震え出す。 「あ・・・。」 勇吹が目を見開いた。 内腿の弄りが性感に届く。 下肢を揺らして、勇吹の体が応えた。 両手がカルノの服をつかむ。 「ああっ・・・。」 勇吹は喘いだ。 逃れられない、感覚まで、あと少しで。 「ああ・・ああっ・・。」 入れるための奥が緩んでいく。 滴るのを感じる。 つかんだ指先が強くカルノの体を削る。 「あっ・・。・・・あああああ。」 カルノの体にしがみつくようにして達した。 カルノの手を、温もりを、息を、それらを貪るように勇吹はカルノの体に縋りつく。 「・・・・・。」 勇吹を支えて、カルノは薄く笑う。 自尊心をあおるには充分だった。 「・・・覚えさせたから。」 「・・・・。」 「おまえは無頓着だけれど、これでも俺、魔物だよ。」 その顎を持ち上げる。 再びくちづけて、噛み合わなくなった歯列を割って、今度は深く味わう。 右膝を勇吹の左足にくぐらせた。 「あ・・・・。」 静止した体に伝っていく震え。 怖かった。 下肢を服越しに重ね合わせる。 「あっ・・・ん。・・・。」 「・・・ほら、俺も感じてる。」 服の上からでも重ねられたところが熱くて。 勇吹はカルノの胸を押した。 「・・・やだ。カルノ。」 「どうして・・？。立たないから？。」 「・・っ。」 勇吹がびくりと震えた。 「・・・気づいてるよ。」 そっと耳元で囁く。 「前は触らなかっただけ。・・・・たくさんイカセタのに、一度も立たなかった。」 カルノは勇吹の手を払って耳元で囁く。 「女とでもたぶんそうだろ。興味無いみたいだけど、出来ないのもわかってる。」 勇吹の背に手を置いて、抱き寄せる。 「あ・・。」 勇吹は目を剥いた。 肌がぞわぞわする。温もりを求めて体がカルノを求める。 「肌を合わすなら男の方がいいくせに。」 カルノは勇吹のベルトを外し、ファスナーを引く。 勇吹は無抵抗だった。 手を忍びこまして、前に触れて、 奥を撫でる。 「う・・んっ。」 「・・・どうする？・・、イブキ。」 「・・っ。」 内股をなぞり、秘部に触れる。 「やっ・・・、あ・・ああっ。」 秘部は熱かった。核心を探り出す。 「カルノ・・ダメだ。これきりだって言っただろっ。ダメだっ。」 「どうして？。」 ぐっと秘部へ指を押し込んだ。 「ああ・・っ。」 勇吹は膝を崩した。 壁をずって、カルノは勇吹に覆い被さるように追う。 さし入れた中指を奥へ奥へ埋めていく。 「・・・・どうして？。」 きつい。内側の肉が指を感じようとして。 「こんなに閉めつけてるのに。・・おまえが。」 「・・・。」 「やめたくないくせに。」 「だか・・ら・・だっ。」 「？。」 「だから、これきりだって、・・・だから言ったのに。」 「・・・・。」 カルノが呟く言葉は酷い言葉に聞こえる。 「・・・何が為になるか、それは俺が決める、と言った筈だ。」 ・・ワザと選んで使っていて、だがしかし、嘘は無い。 「・・・っ。」 勇吹は傷ついた眼差しで見上げる。 「おまえは、俺のものじゃない。」 「おまえのものだ、と、何度も言ってる。」 けれど、勇吹は首を横に振った。顔を背ける。視線を合わせてくれない。 「・・・・。」 カルノは屈み込んで、耳朶を食む。 そして、甘く囁く。 「好きだよ・・・。」 「っ。」 声に反応して勇吹が身を竦めた。 奥で感じるその場所を撫でてやる。 「・・・あっ・・。」 抵抗する腕が力を失って行く。 刻む刺激を拒み切れなくなって行く。 「・・・。」 顔は背けたまま・・だけど勇吹は、両足を開いてしまう。 嬉しくて耳朶を、甘く噛んだ。 「・・・・。」 カルノは下を下げて、両膝を押し上げた。 「あっ・・・っ。」 彼の頭が自分の股の間に沈む。 唇も舌も熱くて、秘部を弄られる。 「んっ・・んんっ・・。あ・・。」 この体が、求めて、やまなくなる。 折り曲げていた両膝が天井に向かって突き上がった。 「・・・・。」 再び達して、 体を投げ出すように脱力する。 カルノは体を起こした。 勇吹の肩を押さえつけ、再び手を伸ばして潤わせた秘部に指を刺し入れた。 「う・・ん。」 続く快楽を教える。 「足りない？。」 カルノは尋ねた。 勇吹はびくりとしてうつむいた。指を増やしていく。中指と人差し指・・薬指。 下肢が震えを背筋へと伝えて行く。 「あ・・。」 背筋を引きつらせた。 でも決定的な悦感が得られない。 ねっとりと絡みつく蜜の濃さにカルノは勇吹に囁いた。 「・・・・入れていい？。」 カルノは自分のベルトに手をかけてファスナーを下ろす。自身を出した。 その腰を抱く。 秘部に先端を当てやる。 「・・・・。」 既にそこは潤い切っていて、・・・・開こうと動く。 「・・・。」 返事をしないから、触れさせたま挿入せず、そのまま動かずにいた。 蜜が絡んで、滴る。 焦れて勇吹が喘いだ。 「あ・・。」 満ちすぎてずるりと勇吹はカルノを飲み込んだ 「あっ・・・ん。・・・。」 「・・・っ。・・・。」 カルノは微かに息を詰め、吐いた。 きつい。 緩く飲み込まれて、そのあとに絞めつけられる感触を得る。 「・・・・いい。気持ちいい・・勇吹。」 もっと感じたくてカルノは揺すり上げた。 「あっ・・・あっ。」 体が揺れる。揺れてしまう。 感じたくて、体が奥を絞る。 しなやかな背を反らせた。 まるで証明するかのように、勇吹の性感帯を支配する。。 「ああっ、・・ああ、待って、やっ・・・。」 「・・・。」 「あ・・、ああ―――っ。」 高みに声を上げる。けれど、悦感が収まらない。 カルノが、揺するから。 「やあっ、カルノっ、やめて、待ってっ。」 感情を拒絶して悦楽を求め体が、カルノに合わせる 悦感と恥ずかしさで、勇吹の頬が染まっていく。 「・・・ああ、ん―――っ。」 股から伝わってくるのはカルノの肉の動き。 「ああっ。」 達しそうになって、ずるりと引き抜かれた。 勇吹は目を見開いた。 「・・っ。」 悦感を急に奪われる。 「やめて欲しいの？。」 勇吹の体を放り出すように、離す。 冷たい言葉が降ってくる。 「・・・。」 勇吹の下肢は既に悲鳴を上げていて、ガクッガクッと震えていた。 生々しさにゆだねて、よがっているの自分で。 「・・・・・・。」 カルノはその手を取った。 その甲にキスをする。 頬を両掌で覆い、その頬を、唇を、。 勇吹の体を起こして、そのシャツを剥ぎ、背中から抱いて、 その胸を手で、唇でうなじを、 勇吹が感じるところを触れて、勇吹を促して行く。 「・・・・ぁ・・ルノ・・・。」 勇吹は喘いだ。 陵辱されても快楽を求めるような自分に。 「・・・・・いで・・。止めないで。」 「・・・・。」 「あっ・・。」 カルノの左手の指先が勇吹の唇に触れ、歯列を開かせる。 「いいよ・・。」 カルノは笑んで腰に触れる。 「ふ・・・・。」 秘部に熱いそれが触れて、勇吹の体が安堵に弛緩した。 「・・・・。」 「あ・・・。」 それを見計らって勇吹を組み敷いて、四つ這いに伏せさせる。 「あ・・・うっ・・。」 姿勢に、えぐいものを感じる。 けれど何もかも虚勢に思えて、勇吹はカルノにされるがままになる。 「あ――――・・っっ。」 声にならなかった。再び貫かれ、得られた悦に勇吹は喜ぶ。 息が止めて、股の間のカルノを感じる。 揺さぶられて、喘いで、 この艶かしい悦に身を投げる。 「・・・・。」 奥の蜜は溢れ落ちて、カルノを濡らし、内側の肉は、いっそうにきつく締め上げる。 勇吹にとって欲しいモノであることを感じて、カルノは与えるため、何度も突き上げる。 「俺の恋人になって。」 告白して、頬を近づける。 「・・・・。」 勇吹は目を見開いて、そして再び傷ついた眼差しをした。 「・・・・・・・・たい。」 おまえの恋人に。 「・・・。」 なれるならば。 唇をカルノは強引に奪う。その言霊を奪うように。 「――――ああああっ。」 勇吹は悲鳴を上げた。 カルノは腰を揺する。 揺すり上げた。 放熱の狂喜を勇吹は歓喜で感じとる。 その背をしならせて全ての熱を貪った。 「・・・・。」 自分に堕ちた勇吹を離して、壁に寄りかからせる。 屈み込んで、その耳朶を噛み、その髪の匂いを嗅ぐ。 勇吹の腕が背に絡んだ。 カルノは自身のシャツを脱いで肌で勇吹を抱き締める。 「あ・・・・。」 勇吹は身を竦ませた。 「・・・・。」 そして、カルノは彼の耳を覆った。 ゴッ・・・――――ォォッ。 貫くような激しい震動が起こる。 核の投下。 シェルターの明かりが消えた。 それは地上の惨劇の始まり。 |